最高のリーダーは何もしない 藤沢久美

　今日は本の話です。


　最近、家にいることが多いので、この状況が収束したとき、役立ちそうな本（！？）を結構読んでいます。
　今回、読んだのはなんと「最高のリーダーは何もしない」（藤沢久美）！


　リーダーになりたいなんて、思ってるわけじゃないんだからねっ(n*´ω`*n)
　ちょっと読んでいるのを見られると恥ずかしい題名ですね（「なんだ、お前リーダーになりたいなんて思ってんじゃねーよ」と思われそう）。でも、個人的にリーダーになったり、リーダーを育てたりする立場になるのも近い年齢になってきているのでね……。題名から興味を持って買いました。




　たしかにそうだね～～　(^▽^)/　と思いましたよ！

「最高のリーダーは何もしない」藤沢久美

感想
　藤沢さんの言いたいことは、基本的にはタイトル通り。何もしないように見えるリーダーがいいリーダーだ、ということだと思います！
　最近はよく言われていることなのかなと思いますけど、「求められるリーダー像」って昔ながらのぐいぐい引っ張っていくタイプのリーダーではもうないんですよね。（もちろん、今みたいな緊急時とかには、ぐいぐい集団を引っ張っていくリーダーは求められるし、そういうリーダーじゃないと本当にむかつくもんですが）
　藤沢さんもこのことを言っていると思います。
　

　しかしこの本、論理的で、よくまとまっていて、例もわかりやすく、非常に読みやすい！　外国の人のこういうテーマの本もありますが、例に出てくる人も日本人が多いので、イメージもしやすいです。どんどん読みたくなって、2時間で読み終わっていました。売れるのもわかる素晴らしい内容になっています。

　読みたい人は、ここで僕の感想を見るよりも、本屋さんで買って読んだほうが早いと思うので、この先は読まずにぜひ買って読んでみてください。
　




　藤沢さんの考える理想のリーダー像は、ビジョンを持っている、そのビジョンを集団に伝え、浸透させられるリーダーです。

　今の若者や子供たちは途方もなく多様で、自分で考えて行動しています。
　リーダーの言うことを聞かないのは、本当にそうかなと思っているからなんですよね。
　上司が頭ごなしに命令しても、素直に聞く気になれないのが人情です。
　僕もこれには心当たりがあって、上司に命令されるとき、自分の中で「違うな」って思っちゃうと、もうその仕事にはやる気になれないし、それで失敗したらもちろん上司のせいにするし、むしろ失敗してしまえと望んでいたりもするんです。心から信頼している人の命令なら、「うむ、なるほど」と思うかもしれませんが、そうじゃないとどうにもやる気になれないんです。
　信じられないくらいのカリスマや才能があって、結果を出している人が言うんだったら、そうしようとも思えるかもしれません。しかし、現実、僕の周りにはそんな上司やリーダーはいないんです。ミスもするし、逃げるし、人のせいにするし、ってキリがないですけど……
　
　だからこそ、リーダーというのは、自分のビジョン、考え方をしっかりと伝え、こうすることはこういう理由があるからだ、ということを、そのビジョンに基づいて、現実的に語れなければいけないんですね。そうして、リーダーの考え方や理想が伝わり、共感してこそ、「聞こう」と思える。そして、集団の中の個人を自分からやる気にさせる。自立して考えて仕事しようと思わせる。意欲を持たせることができるんですよね。

　これって、めちゃくちゃ難しいですが、絶対そう、だと思います。
　
　リーダーというのは「良い集団をつくる人」ということ。「良い集団」とは個々人が我の中に意欲を持ち、自分で考えて仕事に当たれる集団。
　それを実現するには、命令ばかりのワンマン社長ではだめで、むしろ、自分のビジョンを伝えられるリーダー、しかも、こうすれば相手はどう思うか？　この発言で部下はどう思うだろうか？　という繊細な想像力を持つ人リーダーこそ、求められているのかなと思いました。
　



　自分はリーダーじゃないし、リーダーになるべき人間でもないと思うので、こんなこと書いていて正直恥ずかしいんですけど、果たして、僕に「聞こう」と思わせるようなビジョンがあるだろうか？　また、こういえばこの人はどう思い、あっちで聞いているあの人はどう思うだろうかとかいうことを、繊細に考えることができるだろうか？
　そんなことを考えさせてくれた、興味深い1冊でした。